過去に何度も触れていますが、当社は、千葉県の地方都市である茂原市に登記上の本社があります。ただ、社員や業務委託契約のメンバーは全員リモート勤務で、茂原市はおろか千葉県在住のメンバーも一人もおりません。

※過去には、千葉県在住は数名いました。また、海外在住だったもののコロナ禍で一時帰国して、現在は千葉に住んでいるメンバーも1名います。

そのため、極端な話、本社はどこに置いていてもそれほど問題は無いのですが、なぜ地方都市に本社を置いているのでしょうか。

地方に本社を置いている理由

個人的な理由

最初に個人的な理由をいくつか挙げます。

私は元々1箇所に定住するのがあまり好きでは無くて、よく引っ越していたのですが、自宅を本社にしてしまうと引っ越しの度に登記を変更する必要があり、お金も手間もかかってしまいます。そのため、親が住んでいた茂原市の家を本社所在地にしました。

もちろん、バーチャルオフィスを借りるという選択肢もありましたが、もう1つの理由としては、亡くなった父が育った場所が茂原市であり、私自身も住んでいたことがあった、というのが挙げられます。

大都市だと埋もれてしまう

次の理由ですが、東京などの大都市にはIT企業は掃いて捨てるほどありますので、東京で創業しても埋もれてしまうと思ったから、というものです。

当社のような零細企業は何かの特色が無いとビジネスを続けていくのも難しいです。「本社が地方都市(田舎)」というのは、実務上のメリットはあまりないものの、覚えてもらいやすいという点では大きなメリットだと感じています。

地域に貢献したい

私自身は東京郊外の生まれ育ちなのですが、茂原市にも数年住んだことがありますので、地域に少しでも貢献したいという思いはあります。

また、一地域に限った話では無く、日本全体として地方が活性化することにより、日本自体も活性化していくと考えています

幸いにして、創業7年が過ぎましたが大半の年で黒字でしたので、納税という形で多少は地域に貢献出来ているかと思います。ただ、単に納税だけではなく、地域の企業・人々にもう少し直接的に貢献出来るようになりたいとも考えています。

地方企業の長所・短所

次に、地方企業の長所・短所について考えてみます。といいつつも、物事には大抵裏表があるもので、長所に見えるものが短所である場合もありますが、その辺も合わせて書いていきます。

両方: 大都市に比べて遅れている部分が多い

最初から長所とも短所とも取れるものを挙げてみました。地方は、一般的には大都市に比べて遅れている部分が多いです(※)。以下、いくつか例を挙げます。

※なぜそうなっているのかについては、ここでは深入りしません。

  • 古い働き方の企業が多い
  • ITを取り入れていない企業が多い(ウェブサイトがない等)
  • 宅配があまり普及していない・選択肢が少ない
  • カーシェアが使えない
  • etc.

上に書いた通り、地方に住む人・地方企業にとっては、大都市で使えるようなサービスが使えない事も多いのはデメリットでしょう。

一方、遅れている部分を改善するという形でのビジネスの機会が多い、というのは長所と言えるでしょう。一般に、タイムマシン経営というと、海外の先進的な事例・サービスを日本に持ってくる事を指しますが、大都市で人気が出たものを後から地方都市に持ってくるという例も多く見られます。

長所: 競合が少ない

地方都市には競合が少ないというのは長所と言えるでしょう。茂原市には、大手企業の子会社や事務所などはあるかもしれませんが、IT専業の会社は殆ど無いようです。当社は、市内でNo.1のソフトウェア開発企業である可能性もかなり高いです(以下、参照)。

茂原市内No.1のソフトウェア企業? – もばらぶん

短所: マーケットが小さい

競合が少ない理由として、そもそも市場規模が小さいために企業が参入してこない、というのが挙げられます。

当社の場合も、実は茂原市内にはお客様はおらず、一番近いのが、茂原から2つ隣の市である東金市にある創販株式会社様です。

茂原市や外房にある会社様との仕事を増やしていきたいとは思っていますが、それだけでは金額的にもあまり大きくなりません。今後は、外房だけで無く他の地方都市にも進出して、量を増やしていきたいと考えています。

短所: ビジネス環境が整っていない

もう1つ地方の短所ですが、地方では大都市ほどビジネス環境が整っていないように感じます。

  • 新規事業支援等の行政の仕組み
  • 専門家の数・分野の広がり
  • イベント・ネットワークの数

などは大都市より劣っています。

当社では(半分惰性で)商工会議所に加入していますが、サイトを見る限りでは、中小企業・個人商店の資金繰りや税務・労務に関するサポートが主な活動のようです。また、商工会議所ではセミナーなどもやっており、コロナ前に1〜2度参加しましたが、それらもやはりそうした企業を対象としていました。

トップページ|茂原商工会議所

地方の中小企業をサポートするというのは、地方での雇用を確保するという点でも重要なことで、それについては全く異論はありません。

ただ、一般的な中小企業とは異なる事をやろうとしている、当社のような会社にとっては、ビジネス環境という観点ではあまり良くは無いと感じています

地方企業としての今後

最後に、一地方企業として当社が今後どうしていくかについて少し書きます。

働きたいと思われる会社に

当社の企業理念としては、以下を掲げています。

「働く場所・時間帯を、働く人が自由に選べるような社会にする」

自分たち自身については概ね実現できいて、比較的働きやすい職場であると考えています。今後は、職場環境の更なる改善や、やりがいのあるプロジェクトを増やして、「働きたい」と思われる会社になりたいと考えています。

地元の人・移住者の採用

前述の通り、現在は茂原市や千葉県在住のメンバーがいないので、千葉・茂原在住の人、あるいは現在は東京などに住んでいて今後、茂原近辺に移住したい人を採用したいと考えています。

ちなみに、茂原市の近くの一宮町には、最近はサーフィン目的で移住する人も増えていますし、隣の白子町や九十九里町も綺麗な海がすぐそばにありますし、かといって東京に出るのもそこまで不便ではないので、個人的にもお勧め出来ます。(移住については、別途記事を書こうと思います→書きました)

地方企業へのサービス提供

上の方で触れた通り、現在の当社のお客様の多くは大都市の企業ですが、今後は地方の会社様にとって価値のあるサービスを提供して、地方経済の発展に微力ながら貢献したいと考えています。

まとめ

当社は(登記上は)地方都市に本社があります。地方企業には地方企業ならではの長所・短所がありますが、長所を活かしつつ成長していき、地域に貢献出来れば、と考えています。