オフショアの一般的な話
弊社では、今後、今まで以上にオフショア開発を活用していこうと考えています。
まずは、弊社の話を書く前に、オフショア開発の一般的な話について少し書こうと思います。
メリット
オフショア開発のメリットは、大まかには以下の通りでしょう。
- 低価格
- 自社にない豊富なリソースを使用可能
- 時差を活用
1番目に関しては特に書く必要も無いので、省略します。
2番目は、オフショア開発に限った話ではなくアウトソーシングのメリットではありますが、現状、日本国内でのソフトウェア開発者の採用はかなり難しくなっているため、
- 比較的豊富なリソース
- 自社に持っていない技術
を利用可能なオフショア開発は、以前より魅力を増してると思います。
最後の時差に関してですが、主にサポートの分野でのメリットですが、日本で24時間サポートを提供しようとすると、夜間の割増賃金を支払う必要があったり労務管理の面などでも難しい点がありますが、オフショア拠点をうまく活用すると、そうした問題点が緩和できます。
日本でのオフショア開発
日本でオフショア開発が比較的一般的になってきたのは、2000年代前半だと思いますので、10年以上の歴史があります。
2000年代は、以下の理由により、中国にオフショア拠点を構える日本企業が多かったと思います。
- 同じ漢字文化
- 時差が少ない
- 賃金水準が低い
その後の中国の経済成長に伴い、2010年代は、より安い以下のような国に進出する企業が増えてきました。
- ベトナム
- ミャンマー
また、これは個人的な感触ですが、なんだかんだ言って日本の企業の英語力は上がってきていますので、それに伴い、以下の英語圏の国をオフショア先として選ぶ日本企業も最近は多いように思います。
- インド
- フィリピン
この辺の話は今回の本題とは異なりますので、別途書こうと思います。
海外でのオフショア開発
ここでは、「海外」とひとくくりにしてしまいますが、日本ではあまり活用されることの無い以下のような国も使っているところが大きく違うと思います。
- 東欧、旧ソ連
- 南米
弊社でオフショア開発を行う背景
過去にやったこと
弊社では、創業の割と直後からクラウドソーシングを行ってきました。当初は CrowdWorks を使っていましたが、途中から Upwork を併用して上手くいったという成功体験があり、それ以降 Upwork は比較的よく使っています。詳しくは、以下の記事を参照して下さい。
Upworkを使ってみたら凄すぎたので、簡単にコツを教えます – もばらぶん
また、これは私(鹿島)個人の話ですが、弊社創業前に勤めていた海外の会社で、オフショア開発拠点を立ち上げたことがあり、その時の経験が、海外で働く→好きな場所で働くという原体験の1つになっているように思います。
なぜオフショア開発を強化するか
プロジェクトが増えてきた
それでは、なぜ、今このタイミングでオフショア開発を強化しようと思ったのでしょうか。
1つは、単純にプロジェクトが増えてきたことが挙げられます。日本に限らず世界的にソフトウェア開発者の需要は高まっており、弊社のような零細企業でも開発案件の引き合いが絶えないという状況です。
海外進出をしたい
2つ目は、弊社自身も、国内にとどまらずに海外に進出していきたいという思いがあります。この辺は、以前書いた以下の記事の最後で少し触れています。
弊社におけるオフショア開発の現状
オフショア先
ここでは、弊社でどのようにオフショア開発に取り組んでいるかに説明します。
まずは弊社のオフショア先についてですが、現状では以下の通りです。
- 海外に拠点を持つパートナー企業
- 海外のフリーランス
- (海外の日本人)
海外に拠点を持つパートナー企業
海外にオフショア拠点を持つパートナー企業ですが、以前からお付き合いのある会社様が1社あります。それ以外で最近、開発者が足りないという話を SNS でつぶやいたところ、それを見た方から色々ご連絡をいただき、何社かとお話をさせて頂きました。今後のプロジェクトでは、実際にそうした企業様と一緒に開発を進めさせて頂こうと考えております。
海外のフリーランス
海外のフリーランスに関しては、以前の職場の同僚や友人などから何名かを紹介して頂いたので、そうした方とも徐々に仕事をしていこうと考えています。
国としては、以下の通りです。
- フィリピン(元同僚つながり)
- ブラジル(個人的な友人つながり)
また、引き続き Upwork も併用しようとは考えていますが、自前のネットワーク経由での会社・フリーランスの方をメインにして、それでも足りない場合の保険という使い方に徐々になっていくのでは、と思っています。
(海外の日本人)
最後に、「海外の日本人」と書きました。これは、狭義でのオフショア開発にはあたりませんが、現在海外在住のメンバーが数名おりますし、今後も増やしていこうと考えているため、一覧に含めてみました。
オフショア開発事例
そうしたオフショアの人材をどのようなプロジェクトに活用していくかについても、簡単に説明します。
現在いくつかのプロジェクトを準備中ですが、具体的な話を少し記載します。
広告業界のお客様
まずは、弊社が直接取引をしている、広告業界のお客様(日本企業)の事例です。
現在は、私も含めて数名の日本人メンバーがプロジェクトに関わっていますが、秋から始まる新規プロジェクトで海外のメンバーが入る予定で、お客様からもご了承を頂いております。
海外メンバーとのやり取りは、基本的にはチャットベースとなる予定ですが、ビデオチャットも必要に応じて併用するつもりです。既存の日本人メンバーは、英語の読み書きは概ね問題無いのですが、会話については個人差があるため、内部で底上げを図っているところです。
こちらのお客様は、
- リモート作業も問題無し
- オフショア開発も容認
- 但し、お客様と直接やり取りするのは弊社日本人メンバー
など、様々な点で先進的なところがあり、成果さえ出ていれば、細かい進め方はあまり気にされないようです。
チームの規模としては、以下の通りです。
- 日本人4名
- 外国人1〜2名
日本の開発会社様
弊社に開発案件をよく発注してくださってる日本の開発会社様があるのですが、そちらの会社様との新規案件で、オフショア開発のパートナー様と一緒に案件を進める予定です。
チームの構成としては以下を予定しています。
- 発注元開発会社様の日本人PM
- 弊社日本人メンバー3名
- パートナー様外国人メンバー2名
今後
最後に、弊社で、今後どのようにオフショア開発を活用していくかについて述べます。
日本のお客様に何を提供するか
さらに高品質なソフトウェアを適正価格で
オフショア開発のメリットの1つは「低価格」です。ただ、過去にも何度か書いている通り、弊社は低価格を売りにしている開発会社ではありません。
弊社が提供するソフトウェア開発は、以下のどちらかのものがほとんどです。
- 適正な価格(高すぎず安すぎず)で、高品質
- 高価格で、緊急対応を行う
そこに、「低価格」がメリットのオフショア開発を活用することにより
- 適正な価格で、さらに高品質
というサービスを目指したいと考えています。
オフショア開発のサポート
昨今の人材不足を受け、日本国内の開発会社でもオフショア開発を進めていきたいというところは増えていると思います。
弊社では、今後さらにオフショア開発のノウハウを蓄積し、他の開発会社様をサポートしていきたいと考えています。
弊社として何をするか
日英バイリンガルに近づける
以前も書きましたが、弊社では長期的には日英バイリンガルにしていこうと考えています。それに向けて、まずはオフショアを使用する割合を増やすことで、日本人メンバーが英語を使わざるを得ない状況を増やしていきたいです。
海外拠点を作りたい
こちらは中期的な目標ですが、海外の拠点を作りたいと思っています。一口に拠点と言っても色々ありますが、まずは以下の2つを考えています。
- 日本人メンバーが使えるリモートオフィス
- 現地開発者を雇う、現地事務所
まず前者ですが、最近 work + vacation で「ワーケーション」という言葉をちらほら聞くようになりました。弊社のメンバーでも、海外に住んで、休日はサーフィンを楽しみつつ平日に業務を行っている人がいます。
今後はこうした働き方がどんどん増えてくると思うので、そうした人達向けに、海外のリゾート地にオフィスを借りて、そこで働きたい人を受け入れていきたいと思っています。
後者は、通常の現地拠点ですね。日本国内だけだと優秀な人材が取りにくくなっていますので、海外にも目を向けていく必要があると考えています。
まとめ
日本でオフショア開発が一般的になってから10年以上が経ちました。弊社でも、過去に海外の開発者とプロジェクトを行った事が何回かありますが、これからは、規模も大きくして本格的に取り組んでいこうと思います。
目的としては、お客様に対するサービスの向上・充実に加え、自社の人材活用・採用の面でもメリットがあると考えています。
弊社のサービスにご興味のある会社様、あるいは弊社で働く事に興味がある方がいらっしゃいましたら、お気軽にお問い合わせください。
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