概要
弊社では、フリーランスのエンジニアの方とお仕事をする事が多いのですが、税金関連の基本的な事を知らない方も結構いるようなので、フリーランスエンジニアが取り得る節税について書いてみます。
なお、本投稿は利益を税金に持っていかれるのを減らしたい、という方向けの内容です。
また、「超」がつく基本的な内容ですので、知っている事も多いかもしれません。
法的な話・免責事項
その前に、法律の話と免責事項について記載します。
本投稿≠税理士業務
「税理士業務」を非税理士が行うと、税理士法違反となります。具体的な内容に関しては、国税庁の以下のページが比較的分かりやすいです。
2 非税理士により行うことが禁止される税理士業務|税理士法違反行為Q&A|国税庁
この内容からも、本投稿は税理士法違反では無いと認識しています。
また、税理士ドットコムの以下の記事で
税理士ドットコム -[節税]経費をブログに書いたら税理士法違反になりますか?
一方的にご自身の経験を発信することであれば税理士法には抵触しないと考えます。ただし、読者の方からの質問に回答してしまいますと、有償・無償を問わず税理士業務となりますので、その点はご注意ください。
という回答もありました。
内容は無保証、相談は税理士に
私自身は、税理士ではありませんし、本投稿の内容の正確性は保証いたしかねます。税金の相談は税理士さんなりお近くの税務署などにお願いします。(個人事業主時代は、確定申告で、税務署の方に丁寧に相談に乗っていただいた記憶があります。)
所得控除とは?
収入ー(経費+控除+その他)=所得
- プログラムの開発・納品を何度か行って、1年間で合計500万円を売り上げたとします。この場合売上≒収入は500万円です。
- 開発にあたり、開発ツール、テスト用のレンタルサーバー代金、打ち合わせの交通費などで50万円かかったとします。これらは、業務に必要な経費です。
- それ以外に「所得控除」と呼ばれるものが色々あります。
それらの関係を式にすると以下の通りです。
収入500万円ー(経費50万円+控除X万円)=所得
そして税金は、「所得」に対してかかります。
詳しくは、以下のページが分かりやすかったです。
経費・所得控除が多いほうが税金は安い
上の式から分かる通り、「経費」と「所得控除」が多いほど税金は安くなります。
所得控除は、自分の意志でどうにもならない金額固定のもの(基礎控除等)もありますが、自分の意思で増やす事が出来るものもあります。
所得控除を増やす手段
ここでは、所得控除を増やして税金を減らす手段をいくつか書きます。
なお、所得控除一覧は、以下のページを参照。
iDeCo(個人型確定拠出年金)
個人で積み立てるタイプの年金です。特徴としては以下の通りです。
- 積立金は全額「所得控除」となる
- フリーランスの場合、最大68,000円/月(※)
- 積立額は、年1回変更可能
- 積立金をどう運用するか、運用商品を選ばなければいけない
- 場合によっては、元本割れの可能性もある
- 積立金・運用益は、60歳までは下ろせない
フリーランスの方は、会社員の方に比べて年金が薄いので、iDeCo に加入することをお勧めします。
最大のデメリットは60才までは、基本的には下ろせないので、余った金額を全額 iDeCo に突っ込んだりすると、結婚・病気などで急に現金が必要になった場合に困りますので、ある程度余裕をもって(少なめの金額で)加入したほうが良いと思います。
詳細は以下のサイトより。
個人型確定拠出年金ナビ(iDeCoナビ)~イデコ加入ガイド~
iDeCo は、書籍も色々出ていますので、不安な方は1冊買ってみることをおすすめします。私は、たまたまAmazon で半額セールがあったので以下の本を買いました。
※国民年金基金と合計での金額ですが、国民年金基金に加入しているような人であれば、本ページの内容は不要かと。
小規模企業共済
かなり大雑把に言うと、年金みたいなものです。以下に特徴をまとめます。
- 掛金は全額「所得控除」となる
- 金額は最大7万円/月
- 金額は変更可能(回数の変更制限も特になし?)
- 運用利回りは年1%〜
- 60才にならなくても下ろせる
運用利回りは低いですが、iDeCo と違って、60才前に下ろせるので(時期・理由等によって、貰える額が異なる)、早期退職して55才からもらうということも可能です。
が、やはり基本的には年取るまでは下ろさないほうが良いと思います。
詳細は以下のページを参照。
生命保険
保険会社で加入する生命保険の事です。掛け金のうち、最大で12万円/年が控除されます。
保険にはいろんな種類があって、普通の人が想像するような普通の生命保険(死んだら遺族にお金が払われる)や、年金型のものとか色々あります。
詳しくは、保険外交員なり、ネット生保のホームページなどを参照して下さい。
10万円以上の医療費
医療費のうち、年間10万円以上かかった部分は、所得控除の対象です。
ここでのポイントは「医療費」であって、保険適用の有無は関係ありません。例えば、歯の矯正は保険適用外ですが、美容のためでなくあくまで医療であれば、控除の対象となる場合があります。(歯並びが悪くて歯が磨きにくい箇所があり、そこが虫歯になりやすい、等)
経費を増やす方法
不正経理で経費を水増しする・・・という話ではなく、正当な経費を算入し忘れないようにして、しっかり税金を減らそうという話です。
金額の小さいもの、経費算入を忘れることはあまりないものは、「その他」に簡単にまとめます。
交際費
全く仕事が関係ない友人との飲み会とかはダメですが、仕事関係の人との飲み会とかであれば交際費としても問題ない(ケースが殆ど)です。
詳細は以下のページが参考になります。
個人事業主が交際費の計上時に注意すべきこと|MFクラウド 公式ブログ
なお、交際費は、法人と個人では異なる点がありますので、一人法人のフリーランスの方は注意して下さい。
家賃・光熱費の一部を経費に
自宅で仕事をしてる人であれば、自宅の家賃・光熱費の一定割合を経費参入できます。
算入割合は、「仕事部屋の面積/自宅の面積」くらいにしとくのが良いと思います。
サーバー代、プロバイダ代、携帯代
IT系であれば、サーバーやISP、携帯を仕事で使う事が多いと思うので、使用実績にもよりますが、使った金額の9割位を経費に出来ると思います。(サーバーなんて、個人で使う事は殆どありませんし。)
旅費交通費
個人的な趣味の旅行は経費になりませんが、遠くの場所・海外でのセミナー・カンファレンス参加であれば経費になります。
旅行したい場所があれば、仕事に関係するセミナーがその辺りで開催する予定がないか、取引先や見込み客がその辺にないか、とかを確認しても良いと思います。
ただ、あくまで仕事で必要なセミナー参加・出張のついでに観光する訳なので、仕事に全く関係なかったり、取引先の訪問が形だけであったりすると、税務調査などで経費算入を否認されたりするかもしれません。(詳しくは税理士に。)
その他
以下、金額はそれほど多くなかったり、常識レベルなので経費参入を忘れることはあまり無いものなども、一応挙げておきます。
- 技術書等、仕事に関係する書籍
- 外注費(開発の一部を知り合いにお願いしたり、CrowdWorks でデザインを依頼したりとか)
- パソコン、あるいは机・椅子・シュレッダー等の事務用品(10万円以上の場合は、資産計上の上で減価償却)
まとめ
所得控除・経費の大小によって、支払う税金が大きく変わってくるので注意しましょう。
コメントを残す