ロシアニュースは少ないので、直接聞いてみた

隣国でありながら、北方領土絡みでないとなかなかニュースが入ってこないロシア。興味があったので、Upwork 上で一緒に仕事をしているモスクワ在住の開発者に、

  • エンジニア市場
  • 経済状況

について聞いてみました。

労働市場

“russia software developer salary” とかで検索すると、Indeed (リクルートが買収して話題になりましたね)などの検索結果がすぐ出てきます。Indeedのページによれば、年収は大体$60,000程度、日本円にして600万円程度だそうです。これを見る限り東京より若干高いくらいなのですが、実際のところどうなのでしょう。

本人の答えを要約すると

  • クリミア危機や原油価格低迷によるルーブル安の前であれば、$60,000 は十分可能だった
  • 現在も、その位の金額のポジションは全く無い訳では無いが、once in a lifetime と言って良いかも
  • 現在は、シニア開発者/アーキテクトで $30,000 程度ならまぁまぁ良い方
  • モスクワ以外の都市だと、さらに金額が下がる

だそうです。大雑把に、

  • モスクワの開発者なら東京の 40% 程度
  • モスクワ以外の開発者であれば東京の 30% 程度

と考えておけば良さそうです。

経済状況

クリミア危機による経済制裁、及び原油価格低迷がロシア経済の打撃になっているというのは、ニュースで何となく知ってますが、実際の感覚としてどの程度なのか聞いてみました。簡単にまとめると

  • ルーブル安などに起因して、物価が上昇している。感覚として、ここ数年で日用品などが3〜40%程度高くなっている
  • 経済制裁やそれに対抗した禁輸などにより、比較的質の低い国内製品を(インフレにより従来より)高い値段で買わざるをえない
  • 経済制裁により、外国企業が徐々に撤退している

一般人の意見としては

  • 一応生活は出来るが、希望はあまりない。スキル等がある人は、海外に移住する人が増えている
  • 政府は一般市民のことはあまり考えずに、無益な戦いばかりしてる
  • 年配の人や田舎の低学歴の人は、政府の強硬策を支持していて、何かあればアメリカが悪い、と考える人が結構多い

という感じだそうです。最後の点は、トランプが支持されているのと同じような現象がロシアでも起きているようで、興味深かったです。

ではどうするか?

(情報ソースが1名とは言え)  状況がある程度分かったところで、では実際にはどういう行動を起こせばばいいのでしょうか。

アウトソース先として

金額としては、十分魅力的だと思います。また、一般的に、英語が通じる人が多いです。

前述のとおり経済状況があまり良くないこともあり、Upwork で海外の仕事をしているロシア人開発者は結構いるようです。月収が20万とかの人にとって、月に数万でも副収入があれば、かなり生活は違ってくるでしょう。

ただ、優秀な人ほどロシア国外に移住する傾向にあるので、その場合には新たな人を探す必要が出てくるので、若干面倒です。

その他

ITに限って言えば、ロシアでは海外のサービスも結構人気があるようで、マーケットとしての可能性もあり得ますが、ロシアは日本との結びつきが弱く、現地でビジネスをしている日本企業の数は、他国に比べると少ないので、ネットワークとかはあまり期待でき無さそうです。

ビジネスとは関係ないですが、観光地としては興味があるので、一度行ってみたいところです。

終わりに

外国に関しては、ニュースだけだと分からない点が多いので、実際に現地に行くとか、現地の人に直接話を聞くというのは重要だと感じました。