はじめに

業務を効率化したいという思いは、どこの会社にも共通するものだと思います。特に中小企業にとって、限られた人員やリソースの中で業務効率を高め、競争力を強化することは重要な課題です。

AIが身近になった今、「AIを使って業務を自動化したい」と考えている会社は多いでしょう。その一方で、本当に自分たちにできるのか分からないまま、日々の業務に追われて後回しになっている会社も少なくないのではないでしょうか。

私、Yasumotoはエンジニアではありませんが、AIツールを使って社内の業務を少しずつ自動化する取り組みを始めました。そして、その様子を「非技術者でも作業を自動化したい」シリーズとして紹介していきます。エンジニアではない私にできたことなら、きっと多くの方にもできるはずで、そこがこのシリーズの醍醐味だと思っています。

第1回のテーマは新規営業です。現在、私が主にやっているのは、送り先を「承認」する、メールやフォームでの送付を「依頼」する、最後に送信ボタンを「押す」の3つだけです。この記事では、何を自動化して、何を人に残したのか、実際に回してみて分かったことをまとめます。営業リスト作りが大変、問い合わせフォームへの入力に時間を取られている、という方の参考になれば嬉しいです。

ぜひ、導入回もあわせてお読みください。

なぜ自動化したのか

もばらぶの受託開発は、紹介でご縁をいただくことがほとんどです。ありがたいことですが、紹介だけに頼らない体制をつくりたいと考え、今回初めて、こちらから声をかけるアウトバウンド営業に取り組むことにしました。

とはいえ、やみくもに送っても反応は期待できません。もばらぶが得意なのは「他社が開発したシステムの引き継ぎ・改修」です。そこでまず、新しい開発会社を探している企業がどんな状況にあるのかを考えました。大きく分けると、次の3つです。

  1. 現在の開発会社に不満がある
  2. 現在の開発会社では対応できない案件がある
  3. 現在の開発会社が事業を縮小する、または廃業する

1つ目は、不具合が多いといった品質面への不満のほか、やり取りが遅い、費用が高いといった不満も考えられます。2つ目は、使っている技術や言語の制約がある、人手が足りない、といった理由からお願いしたい案件を引き受けてもらえないケースです。3つ目は、現在の開発会社が事業を縮小する、または廃業するといった理由で継続した依頼ができず、新しい開発会社を探さざるを得ないケースです。

こうした困りごとを抱えた企業は、開発会社を探す前に、まず身近な相手に相談するのではないかと仮説を立てました。そこで「相談を受ける側」の会社に、紹介元になってもらうことを狙いました。その一つが、士業(税理士や社労士、弁護士)の事務所です。

もう一つは、案件を受けきれずに困っていそうな会社です。人員不足や対応範囲外でお断りしている案件を抱えていそうな会社として、次の2つに焦点を絞りました。

  • システム開発までは手がけていないデザイン・制作会社
  • サブスク型(月額制)のビジネスモデルを取っている開発会社

まとめると、実際にターゲットにしたのは、次の3タイプです。

紹介元のタイプどんな会社かもばらぶが役に立てること
士業(税理士・社労士・弁護士)IT企業を顧問先に持つ事務所顧問先のシステムの困りごとの相談先になる
デザイン・制作会社Web制作が主業で、システム開発は自社でしていない断っていた案件の開発を担当する
月額・保守型の開発会社月額制の開発や保守が中心スポットの大型改修や他社開発の引き継ぎを引き受ける

問題は作業量でした。候補を探し、ウェブサイトを読んで条件に合うか判断し、問い合わせフォームに1社ずつ入力する。これを手作業で続けるのは現実的ではありませんでした。

自動化の全体像

仕組みは「収集」「取込」「承認」「送付」の4段階です。人が手を動かすのは、送り先を決める「承認」、AIへメール作成またはフォーム入力の「依頼」、そして最後の「送信」だけです。

  1. 収集(Claude・毎週自動):毎週月曜の朝、Claudeがウェブを検索して候補企業を最大30社集めます。その際に「なぜ対象と判断したか」を示す、サイトから抜き出した概要と、そのページのURLがインプットされます。こうすることで、対象企業としてふさわしいかを短時間で確かめられます。
  2. 取込(Apps Script・自動):収集結果はCSVでGoogle Driveに置かれ、Google Apps Scriptが管理用のスプレッドシートへ「未確認」として追記します。※
  3. 承認(人):私が判定の根拠とURLを確かめ、送る会社を「承認」、送らない会社を「除外」にします。
  4. 送付(Claude+人):「承認済みでまだ送っていない会社に送付して」と頼むと、Claudeが問い合わせフォームへ入力またはメールを作成します。私が内容を確認して送信ボタンを押せば、送付が完了します。

※: 一部 Google App Script を使っているのは社内の個別の事情であり、通常は直接 Google Spreadsheet に保存する方法で問題無いと思います。

「送るかどうか」という対象企業としてふさわしいかを確認する作業と、「送信」ボタンを押す作業を人に残したのは意図的です。相手企業に届くものなので、最後は人が目で見て責任を持つ形にしています。

大事なのは「準備」

自動化そのものは、思っていたほど難しくありませんでした。自分でプログラムを書いたわけではありませんし、困ったときには、その困りごとをそのままClaudeに聞きながら仕組みを作っていきました。

導入回でも紹介した通り、仕組み自体はClaudeがすぐに作ってくれます。ただ、何度か実行して分かったことは、対象企業の条件が粗いと、条件に合わない企業まで拾ってきてしまい、手戻りが増えるということでした。

自動化がある程度形になると、感動します。その勢いで、あれもこれも一気にAIに任せたくなります。そこはぐっと堪えて、まずは下準備(今回のケースでいうと対象企業の条件を洗い出すこと)をまずはきちんと行うことが、精度の高い自動化への近道だと感じました。

結果と今後

現在(10月26日時点)、80社程度に送付しましたが、面談に繋がった企業はまだありません。もうしばらく継続してみて、新たな取り組みに方針転換するのか、改善しながらアウトバウンド営業を続けるのか、再検討したいと思います。

AIに営業を「丸ごと」任せるのではなく、調べる・書く・入力するをClaudeに、判断する・送るを人に分けたことで、非エンジニアの私でも無理なく、信頼できる仕組みを作ることができました。

もばらぶでは、今回のようなAIを使った業務の自動化に関するご相談を受け付けています。「うちの作業も自動化できる?」という段階でもお気軽にご連絡ください。

▼お問い合わせ:https://mobalab.net/

「非技術者でも作業を自動化したい」シリーズ