本記事では、WordPress を使ったウェブサイト・業務システムを使っている主に中小企業向けに、WordPress に溜まったデータを AI エージェントが読み込んで判断・別の処理を実行する、という仕組みを作る方法を紹介します。

背景

全世界のウェブサイトのうち約4割が WordPress で出来ていると言われています。プラグインにより機能が拡張できるため、EC サイト、顧客管理システム等、様々な種類のウェブサイト・システムを WordPress で作ることが出来ます。

特にもばらぶのような中小企業の場合、会計・人事等のバックオフィスは SaaS を使う事が多いものの、それ以外の業務では WordPress を使った簡易的なシステムを使っているところも多いと思います。もばらぶでも、このブログは WordPress ですし、お問い合わせフォームも WordPress のプラグインで実装されています。

そうした WordPress には様々なデータが溜まっているのですが、それを有効に活用している会社は少ないのではないでしょうか。特に、近年では AI エージェントを用いた業務の効率化・自動化を行う例も増えていますが、AI を使ったワークフローに WordPress のデータを上手く活用している例は、現時点ではあまり多くないように思えます。

今回やる事

今回は、WordPress MCP サーバーに他の MCP サーバーをいくつか組み合わせて、

  • WordPress に来た新規問い合わせを定期的に確認する
  • 内容に応じて以下を行う。
    • 無視する
    • 自動的にメールで返信する
    • 担当者に Slack で通知する
  • 処理が完了したら、WordPress のお問い合わせにフラグを立てて、次回以降の処理対象に含まれないようにする

といった仕組みを作ってみようと思います。

なお、WordPress の問い合わせフォームは Contact Form 7 と Flamingo というプラグインを使って実装しています。

使う MCP サーバーは以下のものです。

  • WordPress (MCP Adapter)
  • Slack
  • Zoho Mail あるいは Gmail (※)

※: もばらぶでは Google Workspaces も使っているのですが、創業当初は Zoho Mail を使っていたため、メールはそのまま Zoho Mail を使っています。ただ、MCP サーバーを使って業務自動化などを行う場合、使うメールを Zoho Mail から Gmail に切り替えるには Zoho Mail MCP サーバーを Gmail MCP サーバーに切り替えるだけです。Gmail を使っている方は適宜読み替えながら本記事を読んでもらえればと思います。

具体的な方法

概要

過去に何度か行ったように、今回も Claude Code + Agent Skills + MCP サーバーという構成にします。

MCP サーバーの追加・管理には、もばらぶで開発している Bloque という MCP ゲートウェイサービスを使いますが、使いたくない方は Claude Code の .mcp.json に今回使用する3つの MCP サーバーの情報を記載してもらえればと思います。

なお、本記事の内容は、ほぼそのまま使えるコードとして以下に公開してあります。README に沿って設定してみてください。

bloque-public-files/sample-projects/inquiry-triage at main · mobalab/bloque-public-files

WordPress MCP サーバー(MCP Adapter)の設定

WordPress MCP サーバーは他の MCP サーバーと異なり、インストールしただけだと極限られた情報取得しか出来ません。そのため、WordPress の MCP サーバーに機能を追加するために Ability というものを追加する必要があります。

具体的な方法は技術的な内容ですし本ブログの範疇を超えるため、以下の技術ブログの内容を参照してもらえればと思います。

Claude Code に MCP サーバーの追加

Bloque を使って MCP サーバーの追加を行う場合は、まずは以下の Hub をインストールします。

demo’s Hub: Inquiry Triage

その後、以下を行います。

  • WordPress MCP サーバーの編集画面の Configuration タブで以下を入力して保存する
    • MCP サーバーの URL
    • Authorization: Basic <YOUR_TOKEN><YOUR_TOKEN>ユーザー名:アプリケーションパスワード を Base 64 エンコードした文字列に置き換え
    • 詳細はドキュメントを参照 → WordPress MCP | Bloque Documentation
  • Slack MCP サーバー
    • 編集画面の Configuration タブで、Client ID と Client Secret を入力して保存する
    • MCP サーバー画面から “Authenticate” ボタンをクリックし、認証を行う
  • Zoho Mail MCP サーバーの編集画面で MCP サーバーの URL を入力する

最後に、Hub の API キーを作成し、それを .mcp.json に記載すれば完了です。

Bloque を使わない場合は、Claude Code の mcp add コマンドで3つの MCP サーバーを追加します。その後、画面の指示に従って認証を行います。

Connect to MCP servers – Claude Code Docs

Claude Code からスキルの実行

設定が完了したら、Claude Code から /process-inquiries と打ってスキルを実行します。デフォルトでは、過去1週間に来た問い合わせのうち、未処理のもの10件を取ってきて、順次処理します。

自動実行の設定を行う

一日の始めにスキルを手動で実行するのでもある程度業務は楽になると思いますが、やはり自動実行したいところです。選択肢としてはいくつか考えられます。

  • cron
    • 自分のパソコンで
    • VPS 等、専用のサーバーで
  • Dify 等のツール

一番簡単なのは cron ですが、自分のパソコンで実行するのは管理面からもあまりお勧め出来ません。cron を使う場合は安価な VPS 等で構わないので、専用の環境を用意することをお勧めします。

Dify などの AI 関連のツールでも、最近はスキル実行がやりやすくなっています。詳しくは、各ツールのドキュメントを参照してください。

また、私は以前 GitHub Actions を使った定期実行の仕組みを作ってブログに書きました。今回のように定時実行するだけの比較的簡単なタスクであれば、このような方法も選択肢として考えられます。

Agent Skills を GitHub Actions 経由で定時実行し、野良化を防ぐ – もばらぶエンジニアブログ

まとめ

今回、3つの MCP サーバーと AI エージェントを使って、WordPress に来た問い合わせを自動的に処理・返信する仕組みを作りました。もばらぶのような中小企業では、WordPress を使った簡易的な業務システムが動いている事が多いため、WordPress MCP サーバーを使った今回のような仕組みは有効だと考えています。

MCP サーバーを使うと AI で出来る事が格段に広がります。正直なところ、現時点では使いにくい MCP サーバーも多くありますが、現在は過渡期なのでで今後はそうした問題点も徐々に改善されていき、それに伴って MCP も普及していくものと考えています。

以下、宣伝です。

もばらぶでは MCP サーバーを簡単・安価に一元管理できる MCP ゲートウェイサービス Bloque を提供しています。プロジェクト・タスク毎にそれぞれ複数の異なる MCP サーバーを使う場合など、MCP サーバーの管理が面倒になってきます。そうしたときに Bloque は有効だと考えています。

もばらぶでは、AI・MCP サーバーを使った業務効率化、WordPress のカスタマイズや AI を使ったワークフローへの組み込みなどにも対応しております。お困りのことがございましたら、以下よりお気軽にお問い合わせいただければと思います。

お問い合わせ – もばらぶん