この記事について

この記事では、これからUpworkを使用し、クライアント側としてフリーランサーへの仕事の依頼を検討している人のために、以下の項目について説明します。

これらは、いずれも私自身初めて使用する際によくわからなかった点です。Upworkのウェブサイトに行けば詳しい全ての情報が英語で記載されていますが、日本語の情報はあまりウェブ上にないようでしたので参考になれば幸いです。

 

Upworkとは?

Upworkとは、世界中のフリーランサーにあらゆる仕事を依頼できる世界最大のクラウドソーシングサイトで、元々世界最大だった oDesk とそのライバルだった Elance が合併して出来た会社です。現在Upworkには世界中の1千万人以上のフリーランサーがいるそうです。

Upworkでいったい何が出来るのかという部分など、弊社のブログの過去の記事も参考にしてみてください。

 

Upworkでのフリーランスとの支払い契約にはどのような種類がある?

Upworkのフリーランスへの支払いの契約には、「時給払い」と「固定払い」の二種類があります。このどちらかを選択するかによってフリーランサーとの仕事の進め方が異なってきますので、事前にじっくりと検討したほうがいいでしょう。

時給払い

こちらはフリーランサーが実際に作業をした金額に応じて支払う方法です。事前に時給を定め、作業時間に対して、10分単位で報酬を支払うことになります。一定の金額を超えないように、一週間あたりの上限を決めることが可能です。

作業時間の把握方法ですが、UpworkにはWork Diaryと呼ばれるフリーランサーの実際の作業時間を計測するシステムが有ります。

Work Diaryには、作業開始時間・作業終了時間・具体的な作業内容のほかに、単位時間ごとキーストロークの数や、6分毎に1回の作業ウィンドウのスナップショットなどが記録されていきます。もちろんフリーランサーの作業内容を完全に把握することはできないのですが、システム上で自動的に記録されていくものなのである程度信頼できる指針になると思います。ちなみにフリーランサーの作業時間の自己申告によるマニュアルでの支払いも可能ですが、よっぽど信用できるフリーランサー以外はWork Diaryを使ったほうがいいと思います。

なお、Work Diaryを使った場合、記録された作業時間に対しシステム上で一週間ごとに自動的に支払いが行われることになりますので非常に楽ですが、支払いが確定される前にWork Diaryの内容をチェックすることは必要です。

固定払い

こちらの方法は事前にクライアント側が指定した作業に対しての金額を提示し、固定の報酬を事前に定め、支払いの条件を満たす成果物を得られた段階で初めてフリーランサーに報酬が支払われるという方法です。

この固定払いはただ単純に作業が終わったら請求するという単純なものではなく、プロジェクトを段階に分けるマイルストーンを事前に双方で話し合った上で設定していき、クライアントとフリーランサーの双方を守るために、マイルストーンごとにエスクローによって支払いをしていくことになります。

マイルストーン

固定払いの場合、事前に双方で話し合い、報酬を支払う条件をマイルストーンとして設定していくことになります。

小さなプロジェクトではマイルストーンをプロジェクト全体として一つだけ設定することもあるかと思いますが、ある程度大きなプロジェクトでは、いくつかのマイルストーンを設定し、マイルストーンごとに報酬の支払いが行われることになります。

また、最初に全てのマイルストーンを設定することもできますし、一つのマイルストーンが完了した段階で次のマイルストーンを設定していく、ということもできます。

エスクロー(escrow)

固定払いの際に必ず使用されるエスクローとは、クライアントがフリーランサーに対して直接報酬を支払うのではなく、フリーランサーが仕事に着手する前に第三者のUpworkが一旦報酬を預かった上で、フリーランサーが成果物を提出した段階でクライアントの同意のもとにUpworkからフリーランサーに対して支払いが行われるという方法です。

なお、得られた成果物が要件を満たしていない場合、クライアントとフリーランサーで話し合った上で、エスクローを全額ではなくその中の一定の金額のみ支払う、といったことも可能になります。

いくつかのマイルストーンを設定している場合は、クライアントからのエスクローの支払いはプロジェクト全体の分を一度に支払うのではなく、マイルストーンごとに支払いが段階的に行われることになります。全額をまとめて払う必要がなく、成果物を確認しながらの段階的な支払いとなるため、より安全といえます。

 

Upworkの手数料について

フリーランサーに対して報酬の支払いを行う際に、支払いの金額に対してクライアントが支払うべき手数料がかかってきます。また、Upworkがその報酬の支払いの金額からさらに手数料を差し引いた金額が実際にフリーランサーが受け取ることになる金額になります。

クライアントが支払う手数料

クライアントが支払う必要のある手数料は、フリーランサーへに支払う金額に対して一律でかかる2.75%のサービス手数料のみとなります。

フリーランサーの取り分

支払う側のクライアントとしては特に意識する必要はない金額ですが、クライアントからフリーランサーへ支払われた金額は、フリーランサーが全て受け取るわけではなく、Upworkの取り分の手数料を差し引いた金額がフリーランサーが受け取る金額になります。

このUpworkのフリーランサーへの手数料の割合は、クライアントからの累計の支払い金額に応じて変動します。具体的には最初に支払われた$500に対しては20%の手数料、次の$500.01から$10,000に対しては10%の手数料、それ以降の金額に対しては5%の手数料がフリーランサーへの支払いに対してかかってきます。

 

Upworkへの新規登録の方法

新規アカウントの作成はサイトに従って進めていけばとても簡単に終わりますが、アカウント作成後に行うことになる、支払い情報が有効であることの証明は少し面倒なものになりますのでどのような流れになるのか詳しく説明させていただきます。

アカウント登録に必要な情報

Upworkへの登録方法は非常に簡単で、名前とメールアドレスを入力すれば簡単にアカウントを作成することが出来ます。法人名を入力する欄もありますが、こちらは後から編集することが可能です。

この段階では支払いのためのクレジットカードまたはPaypalの情報は必要ありません。一旦アカウントを作成すれば、他のクライアントが実際にどのような仕事の依頼を出しているのか確認することもできます。

支払情報が有効であることの証明

Upworkでのクライアント側の支払い方法は、クレジットカード(デビットカード)またはPaypalでの支払いの二種類があります。

支払いにクレジットカードを使用する場合には、いつくかのステップを経て支払情報が有効であることを証明する必要があります。具体的には以下の流れになります。

  1. クレジットカード情報をUpworkに登録
  2. Upworkから2回に分けて請求(合計10USD)がクレジットカードに対して行われる
  3. それぞれの請求金額を確認し、サイト上でその金額を入力
  4. 金額が正しければ、クレジットカードが有効であると証明され、「Payment verified」となる。

それでは上の流れをもう少し詳しく説明させていただきます。

クレジットカード情報をUpworkに登録

アカウントのSettings→Billing methodsから、クレジットカードの情報をまず入力します。Visa、Mastercard、Discover、American Expressの4種類に対応しているようです。入力された番号が有効かどうかUpwork側で確認するために、まずクレジットカードに対して1USDの金額のホールドが行われます。(こちらのホールドは後の合計10USDの2回の請求とは異なるものです。)クレジットカードの情報に問題がなければこのプロセスはすぐに完了し、アカウントにクレジットカードの情報が登録されます。

Upworkからの請求の金額確認、サイト上での入力

次に登録されたクレジットカードが請求に対して有効かどうかを確認するために、Upworkから2回に分けられた合計10USDの少額の請求が登録されたクレジットカードに対して行われます。(こちらの金額は、確認が完了し次第すぐに返金されることになります。仮に確認がされなかった場合でも、10日後に返金されるようです。)

この2回の請求の金額を正しく入力することで、クレジットカードが有効であることを証明することになりますが、一つ注意点は、日本のクレジットカードを使用する際には、実際にはもとのUSDの金額を日本円に換算した金額が請求されることです。もとのUSDでの請求の金額は、請求の明細の概要の欄に「X.XX – X.XX」といった形で記載されるので、そちらを確認する必要があります。この明細の概要の確認が今回のような海外からの請求ですとすぐに確認出来ないケースがあるようです。(私の場合はそうでした)そのような場合はクレジットカード会社に直接問い合わせる必要があることもあると思いますので、クレジットカードの登録と証明は早めに済ませておくのが良いと思います。

USDでの金額の確認が終わりましたら、アカウントのSettings→Billing methodsから、そちらの金額を入力し、正しければクレジットカードが有効であるとの証明が完了します。ここで金額の入力を3回間違えるとサポートに直接連絡する必要があるようなので、ご注意下さい。

「Payment verified」

支払い方法が有効であることの証明が完了すると、登録されたクレジットカードを使っての支払いを行うことが可能になります。

また、支払い方法の証明が完了することで、仕事を募集する際にフリーランサーから見えるクライアントの情報の一つとして、支払情報が証明されていることを示す「Payment verified」と表示されることになります。フリーランサーの募集自体は支払情報の証明なしでも可能ではありますが、支払情報の証明が完了していないクライアントは「Payment unverified」という表示がされることになります。

フリーランサーによっては「Payment unverified」になっていると応募をしないという人もいるかと思いますので、より良いフリーランサーに依頼するためにも支払情報の証明は事前に済ませたほうがいいでしょう。

まとめ

今回の記事では、クライアント側としてUpworkを使用を検討されている方のために、フリーランサーとの契約の種類や、仕事の依頼の際にかかってくる手数料、新規登録の方法などをまとめました。これからUpworkの使用を検討されている方は、まずは是非実際にアカウントを作成してみてください。

過去に書いた Upwork 関連の記事も、よければ参考にしてみて下さい。

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