新型コロナの感染者が増えている2021年9月現在、県境をまたいだ移動は避けるように政府などが声をかけていますので、ましてや、海外に行く事なんて当面は無理そうです。
そんな現在ではありますが、いつかはコロナ禍が収束すると思いますので、コロナ後に海外でワーケーションするにはどこの国が良いか検討してみようと思います。
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前提条件
今回は、以下の条件に当てはまるものを検討しようと思います。
- リモートワーク可能なビザ・ステータスがあること
- あまり高額で無いこと
- ビザ・ステータスの手数料等
- 滞在費
これらについて、少し詳しく説明します。
「リモートワーク可能なビザ・ステータス」とは?
日本人の場合、世界中の数多くの国にビザ無しで一定期間滞在することが出来ます。国によって期間は異なりますが、90日、180日などが一般的です。元々は、観光や商談、学会発表などのために一時的に滞在する人を想定した制度です。
以前も書きましたが、各国のビザ関係の法律・制度は、ここ最近の技術の進歩で一般的になったリモートワークの事を考慮していないものが大半です。ビザ無しや観光ビザでの滞在の場合は、どの国の制度でも「就労は不可」となっていますが、その「就労」にリモートワークが含まれるか、は明記はされていないものがほとんどです。
従って、ビザ無しや観光ビザでの滞在中にリモートワークを行うのは、法律的にはグレーなのですが、現実としては、そうした事をしている人が多いことも確かです。
最近では、こうした状況に対応し、「リモートワークも可能」と明らかにしているビザ・ステータスが各国で出来てきました。本記事では、そうしたビザ・ステータスがある国を検討しようと思います。
海外でワーケーションするのに必要なお金
基本的には、少し長めの海外旅行と思ってもらえれば良いのですが、いくつか注意点があります。
1つ目ですが、前の項で説明した「リモートワーク可能なビザ・ステータス」の中には、申請手数料が結構高いものがあるという点です。今回は、1000ドル以上かかるものを除外します。
2つ目は保険料です。90日(※1)までの滞在であれば、クレジットカードに付帯の保険などでまかなえることが多いのですが、それを超える場合には海外旅行保険に自分で加入する必要があります(※2)。滞在期間が長くなるとその分保険料も高くなるので注意が必要です。
※1: クレジットカードによって異なります
※2: それ以上の期間をクレカの保険だけでまかなう合法的な方法もありますが、本題では無いので省略します
具体的な国
ジョージア(東欧)
ジョージア(昔はグルジアと言っていました)には「Remotely from Georgia」というリモートワーク可能なビザがあります。概要としては以下の通りです。
- 最大1年間ジョージアに滞在可能
- 2000ドル/月の収入を証明する必要がある
- ビザ取得費用は無料
Remotely from Georgia | Georgia Travel
詳しくは「Remotely from Georgia」で検索してみて下さい。
ジョージアは国としては有名ではありませんが、コアな旅行好きには密かに人気があった国です。ワインも有名ですね。物価も安いので、長期滞在にも向いていると思います。
エストニア(北欧)
IT 関連の我々にとっては電子政府で有名なエストニアですが、デジタルノマドビザというビザがあります。以下、概要です。
- 最大1年間エストニアに滞在可能
- 最低3,504ユーロ/月を証明する必要がある
- ビザ申請費用: 100ユーロ
Estonian Digital Nomad Visa | Eligibility & How to Apply
エストニアという国に何があるかは、私自身は正直言って良く知りません。ただ、IT エンジニアにとっては、現地に実際に滞在して、IT 先進国がどうなっているのかを肌で感じてみるのも良いと思います。
台湾
日本人にとって人気の観光地である台湾。日本から近くてご飯も美味しく、物価もあまり高くなく、日本人に好意的な方が多いという、欠点を見つけるのが難しいくらいの国です。
その台湾には「就業ゴールドカード」という制度があり、IT技術者であれば取得はそこまで難しくないようです。
- 最大3年間台湾に滞在可能、期間は延長可能
- 160,000台湾ドル/月(約63万円)以上の収入を証明する必要がある
- ビザ申請費用: 5,760台湾ドル(約2万3千円)
Official Website | Taiwan Gold Card
この「就業ゴールドカード」は、他の国にあるリモートワーカー向けの制度と異なり、台湾国内での就業も可能です。(言語等の問題で実際には難しいかもしれませんが)日本の仕事をしつつ台湾のIT企業で副業することや、台湾国内でフリーランスとして活動することも可能です。
マルタ(南欧)
南欧のマルタは観光地として割と有名ですが、英語が公用語の1つのため、一部の日本人にとっては英語留学先としても有名です。
そんなマルタにもデジタルノマドビザがあります。
- 最大1年間マルタに滞在可能、期間は延長可能
- マルタ国外の企業の会社員、あるいはフリーランスなどが対象
- 2,700ユーロ/月(約35万円)以上の収入を証明する必要がある
- ビザ申請費用: 300ユーロ/人(約3万9千円)
リモートワークをしつつ、パートタイムで語学学校に通うというのも良いかもしれませんね。
条件に合わなかった国
カリブ海諸国
カリブ海諸国では、リモートワーク可能なビザを用意している国が多いのですが、申請費用が高かったり物価・渡航費用が高かったりするので、今回は除外しました。そうした国をいくつか挙げてみます。
- バミューダ諸島
- 制度名: Work from Bermuda
- 挙げなかった理由: 物価が高い
- アンティグア・バーブーダ
- 制度名: Nomad Digital Residence
- 挙げなかった理由: 申請費用が高い
- バハマ
- 制度名: BEATS
- 挙げなかった理由: 申請費用が高い
カリブ海諸国は、欧米の人にとっては人気の観光地で、日本人にとっての東南アジアのような位置づけです。ただ、日本からは移動が大変で、往復の飛行機も高くなりがちです。また、意外と物価が高い国が多いことにも注意が必要です。
ドバイ
ドバイというと富裕層が住む国という印象だと思いますが、その印象は結構正しく、物価が高いです。
ドバイにもリモートワーク可能なビザがありますが、物価が高く、申請費用も結構高かったので除外しました。
まとめ
コロナ禍で観光収入が落ち込んでしまったのを少しでも穴埋めしようとしているのか、各国でリモートワーカーを呼び込もうという動きが増えています。
我々のようなIT分野のリモートワーカーであれば、コロナ禍がもう少し落ち着いた段階で、そうした国に渡航してワーケーションを行うというのも良い選択肢だと思います。
余談
以前、以下のような記事を書きました。
そこで書いた「この10年で起きそうなこと」の4つのうち、以下の2つは新型コロナの影響もあり2021年の時点でかなり実現しています。
- 遠隔勤務の割合が3割くらいになる
- 「グローバルノマド」に対応した法律・制度の整備が進む
ここ最近の時代の流れは予想以上に速いので、個人としても会社としても置いて行かれないようにしようと思いました。
また、弊社では当然ワーケーション可能ですので、(新型コロナが落ち着いたら)外国で働いてみたいという人は、是非一度、以下のフォームよりご連絡頂ければと思います。
なお、3年前くらいに、ワーケーションについての記事も書いたので、興味のある方はご覧下さい。
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