弊社の開発では、以下の3つを掲げていますが、今回は2番目の「適正な価格」の理由について説明します。

適正な価格とは

「なぜ適正価格でシステムを提供できるのか」の前に、まずは「適正な価格」とは何かについて説明します。

適正な価格≠安価

「適正な価格」では無いものとして、「安価」が挙げられます。

「安かろう悪かろう」ではダメなのは当たり前です。また、社員・外注先を酷使して価格を抑えるというのは、短期的には成果を上げることが出来るかもしれませんが、長期的には破綻する事が明らかです。

適正な価格≠作業時間×単価

弊社の開発における「適正な価格」では無いものの2つ目は、
作業時間×単価
という価格付けです。

弊社では、時間単位・人月単位での見積もり・請求は基本的には行っていません(運用・保守など、例外もあります)。従って、作業時間×単価というのは、弊社が考える適正価格ではありません。

極端な話をすると、弊社が得意な分野などで弊社が行えば1日で終わる仕事でも、他の会社に頼むと100万円するものであれば、80万円でお見積もりを出す、という事も考えられます。

逆に、弊社が得意でない分野、他社様に依頼した方が(同じくらいの品質で)安くなりそうな場合は、その旨をお客様にお伝えすることもあります。

ここまで、適正な価格では無いものを2つ挙げましたが、次に、適正な価格について書きます。

納得感のある価格

適正な価格の1つめの条件として、若干曖昧な言葉ですが「納得感のある価格」を挙げます。

お客様「こんな感じのシステムが作りたいんですけど」
弊社「それだと、○○にX万円、××にY万円、合計でZ万円位です」
お客様(まぁ大体それくらいはかかるか)

というのは「納得感のある価格」の一例です。あるいは、

お客様「こんな感じのシステムが作りたいんですけど」
弊社「それだと、○○にX万円、××にY万円、合計でZ万円位です」
お客様「思ってたよりずっと高いんですが、なぜですか」
弊社「○○は、機能としては単純ですが、△△や□□といった事も想定する必要があり、◇◇に時間と費用がかかります」
お客様「そうなんですね」

といった形で、最初は価格に疑問があった場合でも、弊社としては丁寧に説明して、最終的に納得していただく事も多くあります。

隠れたコストが無い

適正な価格の2つめの条件は「隠れたコストが無い」ですが、隠れたコストとはどのようなものでしょうか。

分かりやすい例で言うと、居酒屋の入り口に
「飲み放題+コース8品、税込み4,980円」
と書いてあったのに、入ってみたら席料400円、深夜料金10%がかかって、結局6,000円を超えたとします。この場合、席料と深夜料金が「隠れたコスト」です。

ソフトウェア開発では色々な隠れたコストがあり得ますが、いずれにせよ、開発会社としては、提案時、見積もり提出時などに、発生する可能性のあるコストを一通り出しておくべきだと考えています。


ここまでは「適正な価格」について説明しましたが、ここからは、「適正な価格でシステムを提供できる理由」について説明します。

無駄の排除

適正な価格でシステムを提供できる一番大きな理由は、作業の無駄を省く、に尽きます。具体的には以下のような事を行っております。

  • 作業効率の向上
    • 作業の標準化・自動化
    • 業務を通じた知識・ノウハウの伝達
  • 作業自体を減らす
    • 情報共有のみが目的の打ち合わせの排除
    • 不要なドキュメント作成の省略
    • 全ての社内プロセスの電子化

大半の項目は弊社内で仕事をどう行うかという話で、お客様に直接影響はないのですが、「不要なドキュメント作成の省略」は、お客様に関係するところでもあるため、少し補足します。

不要なドキュメント=殆ど参照されないもの

最初に誤解が無いように書いておきますと、弊社ではドキュメント自体が不要と考えている訳ではありません。必要なドキュメントは適宜作成しております。

さて、弊社が言う「不要なドキュメント」ですが、それは殆ど参照されることのないドキュメントのことです。具体的には、以下のようなものです。

  • 詳細設計書
    • ソースとほとんど変わらない内容のもの
    • バグ修正などのたびに修正するので高コストとなる
  • 単体テスト仕様書
    • 自動ユニットテストで代用できる
  • サーバー設定パラメータシート
    • パラメータの設定が重要なプロジェクトなどでは、作成する場合もあり
    • 特別な注意を要しない設定内容であれば、Infrastructure as Code (IoC) ツールの設定ファイルなどで代用する

こうしたドキュメントは作成を省いたとしても成果物の質には影響がなく、作成しないことで価格が下がるのであれば、お客様側にとってもメリットがあります。

メンバーのスキルが高い

弊社では、スキルの高いメンバーが多いため、効率よく作業が行えます。

高スキルのエンジニアに、例えば、平均的なエンジニアの2倍の給与を支払ったとします。高スキルエンジニアの作業効率としては、平均的なエンジニアの3倍以上になる事もしばしばで、その場合、平均的なエンジニアしかいない会社に比べると、同じ値段で1.5倍以上の成果を上げることができます。(あくまで単純化した例です。)

なお、高スキルのエンジニアが多い理由に関しては、前回詳しく説明しましたので、そちらを参照して頂ければと思います。

なぜ高品質な開発が出来るのか – もばらぶん

多様な人材を適切に配置

弊社では、高スキルかつ高単価のエンジニアのみで構成されているかというとそうではなく、現時点でのスキルはそこまで高くない(けど成長が速い)エンジニアもいます。

また、ある分野で高いスキルを持っているエンジニアが、別の分野の技術を覚えたいので、その分野の仕事であれば普段より安い金額でも受けたい、と言ってくれる場合もあります。

そうした人達をうまく組み合わせてチームを作る事により、

×「高スキルのエンジニアに簡単な作業をやらせる」

というのが発生しないようにしています。

まとめ

弊社での受託開発は、必ずしも安価とは限りませんが、「適切な価格」を提供するように心がけています。

適切な価格でサービスを提供できる要因としては、

  • 無駄の排除
  • 高スキルのエンジニア確保
  • かといって、高スキルエンジニアで固めたチームは作らない

といったのが主なところです。

今後も各要素に磨きをかけて、高品質かつ適正な価格でのシステム提供を引き続き行っていきます。

弊社へのお仕事の依頼・ご相談などは、以下のページからお気軽にお問い合わせ下さい。

お問い合わせ – もばらぶん