気づいたら3ヶ月くらいブログを書いていませんでしたが、いつの間にか2020年になりました。新しい1年が始まっただけで無く、新しい10年(2020年代)の始まりとも言えますし、日本人に取っては大きなイベントとなる東京オリンピックも開催されますし、世間的には何かと区切りの年になりそうです。
当社にとっては現在設立7期目、2020年5月からは第8期なので、特に区切りという感じではないのですが、せっかくなのでこの機会に長期的なことも少し考えてみようと思います。
※: 本記事は、新型コロナ流行前の2020年1月14日に公開されたものです
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この10年で起きそうなこと
まずは、2030年までに起きそうなこと(主に当社に関係する事)を色々考えてみようと思います。この手の予想は専門家でも大外しする事が多々ありますので、話半分で聞いてもらえればと思います。
遠隔勤務の割合が3割くらいになる
私が遠隔勤務を週に数日やり始めたのは、フリーランスエンジニア時代の2012年頃だったと思います。その頃も Skype でビデオチャットしたり、チャットツールも Chatwork や Atlassian の HipChat などがあったり、環境的にはそれなりに整っていましたが、遠隔勤務を認めている会社はかなり少なかった気がします。
2020年の今、フルリモートなのか部分的(週に数日リモート等)なのかはさておき、IT界隈ではリモートワークは完全に定着したと思っていますので、これが今後は他業界にどんどん広がっていくのでは無いかと思っています。
また、個人的な話をすると、私の妻は日系の金融機関に勤めているのですが、お堅い日系金融機関でさえ最近はフレックスを導入したりと、従業員に魅力的な制度の導入を行っています。人手不足は今後も進むと思いますので、働きやすい環境の職場がどんどん増えていくものと思います。
「2030年に3割くらい」というのは人数の話で、制度を導入している会社は5割くらいになるんじゃ無いかと思います。
「グローバルノマド」に対応した法律・制度の整備が進む
前項と関連しますが、リモートワークの環境が整ってきたことにより、国外を旅行したり長期滞在しながら仕事をする人(いわゆる「グローバルノマドワーカー」)が増えてきました。
現在のビザ・税金に関する法律・制度は、ある国(例えば日本)に在住している人はその国の企業の仕事をする事が前提となっています(会社員・フリーランスを問わず)。そのため、それに該当しないケース、例えば日本国外に長期滞在している人がリモートで日本の企業の仕事をする場合、
- ビザのステータス的に問題無いのか
- 発生した利益に対してはどちらの国に納税するのか
などはかなり曖昧ですし、下手をすると脱税の温床にもなりかねません。
今後、リモートワークがさらに普及するのに加え、自動翻訳技術が進歩し、言語が分からなくても日常生活はそれほど困らなくなる事が予想されます。それに従い、グローバルノマドワーカーの数も増えていき、それに対応するように上述のような曖昧な点は明確に法制化されるものと思われます。
地方は中核都市に集約が進む
「地方創生」というキーワードが出てからかなりの年数が経ちますが、あまり有効な施策が出てきてないように思います。政治の話をすると、個人的には官公庁の地方移転が耐障害性という観点からも一番良いとは思いますが、多分、これは2030年にもあまり進んでいないと思います。
さて、弊社は地方都市である千葉県茂原市に登記上の本社があります(オフィスはありません)。残念ながら、茂原市のような地方都市は、2030年にはかなり衰退しているものと予想します。
その代わり、地方の中核都市(東京近郊の大都市、三大都市圏、地方の中核県の県庁所在地)に人が集まるものと思います。「東京近郊の大都市」というのは、さいたま市、千葉市、横浜市、川崎市などで、「地方の中核県の県庁所在地」は札幌市、仙台市、福岡市、広島市などです。
理由ですが、遠隔勤務が定着してくると、田舎に移住してノンビリ暮らしながら仕事をする人も増えるかと思いますが、それでも多くの人は地方はやはり不便と感じて便利な都市に移っていくものと思います。特に、今後は日本全体で人口が減っていくので、現在人口が減っている都市(例:茂原市)では税収減による行政のサービスレベル低下、あるいは顧客減による営利企業の縮小・撤退が進み、より一層人口減が進む負の循環に陥ると思います。
そうした地方都市出身の人は、今までは東京・大阪・名古屋などに行くことが多かったと思いますが、今後は地方の中核都市を目指す人も増えてくると考えています。理由としては、モノ・情報の流通速度が速くなっていて、地方の中核都市でも東京と同じモノ・情報がすぐに手に入ること、それにも関わらず地元と地理的・文化的に近いこと、といったところでしょうか。
地域のブロック化と同時に分散化が進む
地域のブロック化というのは、日本であれば北陸、山陰、南関東みたいな地域のつながりが強まることで、分散化とは、ある地域にあった機能などが他の都市・地域に分散することです。
ブロック化に関してですが、政治で言うと道州制みたいな話ですが、道州制が導入されるか否かに関わらず、そうした動きは強まるんじゃ無いかと思います。前項の「地方の中核都市に集約が進む」というのと同じ流れの話です。
それと同時に、分野によっては分散化が進むのでは無いかと思います。物理的なモノであればハブアンドスポーク方式で大都市・地方中核都市に拠点を設けるのが理に適っていますが、情報が鍵となる分野ではその必然性が薄いため、例えば、シリコンバレーや渋谷のような現在中心となっている地域の影響力が低下して、各地に影響力が分散すると予想します。
サービスに関しても、地方都市の企業が提供するサービスが、別の地域にある大都市の企業に使われる、ということが日常的に起こるようになると思います。
2030年に「もばらぶ」はどうなっていたいか
ここまでは、2020年の10年後である2030年に起こりそうなことを書きましたが、では当社は10年後にどのようになっていたいかについて書いていきます。
経営計画とかの数値目標的な話で言えば、2030年には売上を現在の100倍以上にはしたいですが、ここではもう少し違った切り口のことを書こうと思います。
社員・パートナーが自由に働いている
いきなりですが、当社の企業理念は以下の通りです。
「働く場所・時間帯を、働く人が自由に選べるような社会にする」
2030年には、少なくとも社員・パートナーに関しては、この状態が実現できていなければいけません。
具体的には、以下のような事を2030年までに実現したいです。
- 日本以外に10カ国くらいに支社・関連会社(以降「オフィス」)を作る
- 特定地域に偏らず、5大陸全てに
- 好きな場所への転勤・転籍が出来るようにする
- ビザなどのステータスもクリアする
- 海外のメンバーも日本に来られるようにする
- 1つのプロジェクトは複数(2〜3)のオフィスのメンバーからなる
- 1つの場所に縛られないようにする
- とは言え、あまり多数の場所に分散しているとプロジェクト進行などが大変なので、2〜3カ所に絞る
楽しいソフトウェア開発を広める
2000年代〜2010年代初頭までは、「IT土方」なんて言葉もあったり、プログラマー・ITエンジニアの社会的地位は低かったように思いますが、最近では当時と比べて需給バランスが逆転しており、ITエンジニアの待遇も好転しています。当然、当社もその恩恵を受けています。
今後もITエンジニアの需要は高まり続けると思いますが、もばらぶとしてはお客様から高いお金をもらってソフトウェアを開発するだけでなく、ソフトウェア開発というプロセスを楽しく簡単にすることにより、
- 簡単なシステムはユーザー企業が開発・運用を行う
- 当社はより高度な部分を担当する
という状態を実現し、社会全体としての生産性を高めていきたいと考えています。
茂原市に優秀な人材が集まるようにする
当社の登記上の本店所在地は茂原市ですが、今のところ茂原市にオフィスはありませんし茂原市在住のメンバーもおりません。
ただ、今後、千葉県在住のメンバーが増えたら、茂原市内にオフィスを設けて、好きな時に出社出来るようにしたいとも思っています。当社のメンバーはリモートワークに慣れている人が大半ですが、それでもたまには他のメンバーと会って仕事をしたいという意見がそれなりにあります。オフィスが茂原市にあれば、通勤ラッシュとかもあまり関係ないですし。
そして、全国の優秀な人材を、というのは無理かもしれませんが、2030年頃には、今までは都内とかで働いていたような茂原市周辺の優秀な人材が地元に帰ってきて働く、という選択肢の1つになれればと考えています。
前の方で、茂原市のような地方都市は衰退していくという予想を立てました。実際に、ここ最近は毎年500〜1000人程度人口が減っているようですし(以下のリンク参照)、2030年頃には減少幅もさらに大きくなっていそうです。
とは言え、東京には比較的近いですし、東北の地方都市などに比べるとまだまだ状況は良さそうです。
当社は2030年にはもう少し大きくなっているはずですが、かといって毎年1000人規模の採用をしているとも思えないので、「茂原市の衰退を食い止めます」みたいな事は言えません。
ただ、上に書いた通り、今までは大都市に住むこと一択だった優秀なソフトウェアエンジニアに地方に住むという新たな選択肢を提示して、何か面白い事をしたいと思ってます。
まとめ
今から10年後の2030年には色々な面で社会が大きく変わっていると思います。人口動態などの比較的予測が付きやすい分野もあれば、どうなっているか分からない部分も数多くあります。
今後社会がどう変化するにせよ、当社としては時代の変化に即しつつ、働いている人にとって働きやすく、お客様のとっても価値のあるサービスを提供する、という基本を忘れずに会社を成長させていきたいと思っています。
2020年もよろしくお願いいたします。
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