本エントリーは、以下の続きです。

零細企業なのに選ばれる理由1: 特急対応

受託開発を行う会社は数多ある中で、お客様はなぜ弊社のような零細企業に発注するのでしょうか。大きな理由の2つ目は、弊社では小規模案件も積極的に受注しているからだと思います。

小規模案件をやりたがらない会社が多い

受託開発を行う会社で働いたことがある方であれば、小さ過ぎる案件は断ったりした経験もあるかと思います。理由としては単純で、「手間がかかる割に儲けが少ない」という事でしょう。

では、儲けが少ない理由をもう少し分解してみると、以下の2つに分けられるのではないでしょうか。

  1. 小さくても時間をそれなりに取られる
  2. 人月換算した場合の損益分岐点が高い

時間をそれなりに取られる

細かい作業が色々ある

ある web システムのちょっとした改修作業を考えます。プログラムの修正自体は1時間位で終わる作業量かもしれません。ただ、実際には以下のような開発以外の作業が発生する事が多いです。

  • 検証環境の構築
  • 本番環境への反映
  • 仕様書の修正
  • お客様とのメールのやりとり
    • 動作確認依頼
    • 質問への回答

これらの作業にかかる時間もばかになりません。

複数のプロジェクトを並行することによる効率性低下

細かい作業にかかる時間よりも大きな要因として、複数のプロジェクトに並行して関わることによる効率性の低下が挙げられます。

小さなプロジェクトの場合、開発者1人にそれだけやらせるには金額的にも小さすぎるため、担当開発者はメインのプロジェクトをやりつつ、その小さなプロジェクトに関わることになります。、メインのプロジェクトの作業中に、小さなプロジェクトの割り込み作業が入る事による弊害は無視できません。

割り込み作業による効率性低下に関しては、色んな研究がありますし、多くの書籍などでも触れられているので、ここでは詳細は省略します。

損益分岐点が高い

例えば、ある受託開発会社に月給30万の開発者がいたとします。人月換算でいくらのプロジェクトであれば収支トントンになるでしょうか。

色々な計算方法がありますし、大雑把に給料の3倍なんて言う人もいますが、ここでは低めに見積ります。少なくとも、以下のコストを上回らないといけません。

  • 開発者の給料: 30万円
  • 社会保険とかの会社負担分: 数万円
  • 間接部門社員の給料(を直接部門の人数で割った金額)
  • 会社のオフィス賃料・光熱費等(を直接部門の人数で割った金額)

どんなに少なく見ても、人月50万円以下の仕事は受けられません。

なぜ、小規模案件を受けるのか

弊社では、小規模案件も積極的に受けています。その理由は以下の通りです。

  1. 小さな案件を希望するフリーランス・副業会社員が多い
  2. 損益分岐点が低い
  3. 勉強の機会になる
  4. 紹介等、その後につながる

以下、順に説明していきます。

小さな案件を希望する人が多い

弊社では、現在は社員は雇わず、フリーランスの方や他社の会社員だけど副業で関わってくれる方と一緒に仕事をしています。特に副業会社員の場合、平日日中は本業があるため、小さな案件の方が都合の良いと考えている方が多いようです。

そうした、小規模案件を希望するフリーランス・副業会社員と直接つながっているので、弊社では小さな案件でも柔軟に対応可能になっています。

損益分岐点が低い

弊社の場合、以下の特徴があります。

  • 完全リモートなので、オフィス賃料・光熱費がほぼゼロ
  • 開発以外の業務を極力自動化・省力化しているため、余分な作業が少ない
    • 環境構築
    • デプロイ
  • 間接部門の経費が少ない
    • web サービスの使用などで経費を抑える

こうした要因により、通常の会社より損益分岐点が低くなっています。

勉強の機会になる

弊社では、クラウドソーシングサービスはなるべく使わず、フリーランスエンジニアや副業会社員の方と直接契約を行い、良い方とは長くお付き合いをさせて頂くように心がけています。

社員として雇用している訳ではありませんが、そうした方々にスキルアップして頂く事も重要だと考えております。理由としては、こちら側にも大きなメリットがあるからです。

  • 仕事を楽しいと思ってくれるため、継続して取引して頂ける
  • 技術的に難しい案件をどんどん受けられるようになる

そして、小規模案件は、技術的にそこまで高くない方にとっては、絶好のスキルアップの機会だと考えています。

もちろん、単なる勉強の機会としてしまってはお客様に失礼ですので、経験の高いメンバー(あるいは私自身)が随時チェックなどは行っています。

紹介等につながる

これは、あえて書くまでも無いかもしれませんが、小さい案件でも積極的に受けていると、そこから大きな案件に発展したり、あるいは別のお客様を紹介してくれたりする場合があります。

どのタイプの小規模案件なら良いか

小規模案件を積極的に受けると書いてきましたが、どんなものでも受けている訳ではありません。上に書いたメリットをいかせるよう、以下のようなものに限っています。

  • リモート作業のみで完結する
  • 契約や書類関係などが簡単
  • 技術的に学びがある(極端な例だと、単純なデータ入力などはやらない)
  • 納期がきつい → この場合は、前回書いた通り、それなりの金額を頂いています。

まとめ

他社では利益にならないような小規模案件でも、弊社の場合は利益となるケースが多いため、積極的に受けています。

お仕事のご依頼などは、お問い合わせフォームからお願い致します。