久しぶりの投稿です。今回は、ちょっとしたノウハウ系の記事+感想です。

背景

WP RAG の開発を再開して数ヶ月

去年パパッと開発してリリースした WP RAG (WordPress で RAG 技術を使ったチャットボットを作れるプラグイン、以下のページを参照)ですが、半年くらい放置してました。

ですが、問い合わせや Early Access Program (以下のリンク参照)への登録とかもちょこちょこあるので、ここ数ヶ月で開発を続けています。

Register for WP RAG Early Access & Lifetime Benefits

英語版のデモサイトを作りたい

本記事冒頭で紹介した WP RAG の紹介ページでは実際に動作を確認できるデモもありますが、日本語のコンテンツを元にしているので、英語版のコンテンツを元にしたデモも用意しようと思ってました(※)。

※: 基本的に、生成 AI は多言語に対応しているので、チャットボットに英語で話しかければ英語での返答が返ってくるのですが、チャットボットが返答の際に参考にしたブログ投稿(コンテキスト)を確認しようとしてリンク先に飛ぶと日本語の記事が出てきてしまうのは、非日本語話者には分かりづらいかなと思ったため。

ということで作ってみたのが以下のサイトです。

WP RAG Demo – Random posts generated by AI

以下、作り方について簡単に説明します。

試したけど使えなかった方法

WordPress 開発者向けのテストデータ -> 用途が違う

一番最初は、以下のページで紹介されている「Theme Unit Test Data」と「Gutenberg Test Data」を試してみました。

How to add demo content in WordPress | Learn WordPress

結果として使えませんでした。理由としては、テーマ開発等のために使うデータのため、WordPress の色んな形式のデータが含まれてはいますが、チャットボットのデモに使えるような自然な文章のデータはなかったためです。

ダミー投稿を作成する WordPress プラグイン -> 用途が違う(lorem ipsum)

上のページで紹介されている FakerPress 等、ダミー投稿データを大量に作成できるプラグインがありましたが、これも結果としては使えませんでした。

理由としては、作成される投稿は Lorem ipsum みたいな無意味なテキストのためです。これらのプラグインの用途は、WordPress サイト開発時の挙動や見栄えを確認する時に使うテストデータを生成する事なので、用途が違うのです。

採用した方法: 生成 AI に書かせた

結局、生成 AI に書かせました。今回は ChatGPT を使いました。(たまたま Claude が重かったので選んだだけで、特に理由はありません。)

プロジェクトを作成し、プロジェクト固有の指示を追加

やり方としては、まず ChatGPT でプロジェクトを作成します。私は「WordPress demo data」という名前にしました。

次に instructions に、「英語のブログ記事を書いているので Markdown 形式で出力して欲しい」、というような指示を記載します。

1記事毎に新規チャットで生成依頼

後は、以下のようなプロンプトをチャットに投げます。

Please write a post about comparison between full text search such as Elasticsearch and vector databases in terms of searching text.

出てきた内容を WordPress の投稿画面にコピペすれば完了です。

私は1投稿毎に新規チャットで指示を出しました。

感想等

知識をまとめる系のサイトは簡単に作成できるし意義が薄れてきている

これは色んなところで言われていることで新しい視点ではありませんが、改めて実感したので少し書きます。

今回のデモサイト作成にかかった時間は半日くらいです。WordPress のセットアップで30分くらい、「試したけど使えなかった方法」を試すのに1時間強なので、34記事のコンテンツ作成には2時間弱しかかかっていません。

今回は、デモ用に IT、ソフトウェア、スポーツ、お酒等、ある程度投稿内容の話題をばらけさせましたが、当然1つの話題に絞ることも出来ます。また、今回使った instructions はいい加減な内容でしたが、もう少しちゃんとした内容にすれば、統一感のある投稿にも出来ます。

1〜2年前までの SEO では有効だった、知識系のコンテンツを沢山作ってトラフィックを集めるという手法は、以前は CrowdWorks などで1文字○円などのライターを雇って行われていましたが、今では生成 AI で同じ事が簡単にできるようになりました。

そもそも、最近の SEO では、生成 AI なりクラウドソーシングで作ったような薄い内容のページは評価されませんし、最近では一般人の調べ物でも、「検索 -> 各種ウェブサイトで情報を得る」から「生成 AI に質問する」に変わってきています。

巷に溢れる情報を分かりやすく整理しただけのサイトはやはり厳しいですね。

個人の感情・体験がより重要に

これも色んなところで言われてますし私もどっかに書いた気がしますが、今後は AI に出来ない自分の感情を表現する、意見を述べる、あるいは体験したことについて述べるといった、N=1の情報・文章がより重視されると思います。

私自身も、以前に比べて積極的に人に会ったり新しい経験をしてみようと心がけるようになりました。

もしよければ、仕事で直接関わりのある方も無い方も、たまには直接会いましょう。メール・DM 等お待ちしてます。現在繋がってない方は X アカウント への DM でお願いします。

まとめ

デモ用途で、(lorem ipsum ではない)それっぽいちゃんとした文章が書かれたサイトを作る必要があったのですが、生成 AI を使うと簡単に作れました。

とまとめてしまうと、随分薄っぺらい内容の投稿ですね。