2024年もそろそろ終わりなのと最近ブログをあまり書いていなかったので、2024年の振り返りと2025年について書いてみることにします。
Table of Contents
生成 AI で仕事のやり方が大きく変わった2024年
進歩が速い
ちょうど5ヶ月前くらいに(7/24)に以下のような記事を書きました。
この時点でも既に仕事のやり方に大きな変化が出てきていたのですが、そこからの5ヶ月で更に便利なツールなどが色々出てきて、それらを上手く使いこなせるかどうかで成果に大きな差が出てきます。
ただ、ここ最近は生成 AI の進化の速度が鈍っているみたいな意見もたまに目にします。生成 AI のモデルについてはそうかもしれませんが、それを使ったアプリケーション等は日々新しい・便利なものが出続けているので、仕事のやり方については引き続き凄い速さで変わり続けていくと思います。
仕事のやり方が変わった実例
最近、以下のようなサービス・ソフトウェアを作りました。(本題では無いのでどのようなものかについては省略します。)
元々、これ単体で大々的にサービス展開していくつもりはあまりなく、 PoC 的な意味合いで開発を始めました。私が不慣れな技術をいくつも使っているのですが、従来であれば半年くらいはかかっていたものが、生成 AI を活用して大体2ヶ月くらいである程度形になりました。(開発の具体的な話は以下に記載してあります。)
生成 AI に質問しまくってシステムを作ってみた – もばらぶエンジニアブログ
せっかくなので、ウェブサイトと Early Access プログラム(※)への登録フォームも以下の通り作りました。これも、今までであれば CrowdWorks とかで外注したりして2週間〜1ヶ月くらいはかかっていたと思いますが、これも半日で出来ました。
WP RAG – Build RAG Systems with WordPress Content
※: プラグインを使用したフィードバックを行ってもらう代わりに、今後リリースする有償機能を無償で利用できるプログラム
使ったツールは以下の通りです。
- v0 by Vercel : 自然言語でウェブサイトが作れるサービス
- Claude : ウェブサイトに載せる英文の作成や登録フォームの項目などを考えてもらった
- Free Online Form Builder | Tally : 登録フォームの要件などを伝えたところ、Claude にお勧めされた
2025年以降で起きると思われる事(人材面)
エンジニアの二極化
冒頭にリンクを貼った以前のブログ記事でも書きましたが、エンジニア・デザイナーは以下の通り二極化していくと私は考えています。
- 生成 AI を使いこなし、今まで以上の速さで成果物を出し続ける人(高度人材)
- 高度な内容では無いが生成 AI に任せづらい作業を行う人(コモディティ人材)
前者に関しては、OpenAI のサム・アルトマン CEO が以前
「1人だけの(=社員を雇わない)ユニコーン企業が登場するだろう」
と言っていましたが(以下のリンク参照)、そこまで極端な例は少ないにしても、今までは10人くらいのチームでやっていた事が高度人材2〜3人のチームで出来るようになるというのは十分現実的な話です。
他方、後者に関してですが、「高度な内容では無いものの、生成 AI に任せづらい作業」としては以下のようなものが考えられます。
- 生成 AI にやらせると何度もやり取りが必要になるような、細かい・微妙な修正
- セキュリティ・安全性の観点から、生成 AI による自動化はさせたくない作業
- 物理的な動作が必要となる作業(ケーブルの配線、ハードウェアの交換)
このような作業にはそこまで高い技術・経験は必要なく、(少し誇張するなら)読み書き、普通の会話が出来て常識があれば誰でも良い、という事になり、それしかできない人達はコモディティとなります。
非エンジニアが出来る事が増え、コモディティエンジニアの需要が減る
また、各種ツールが発達することで、今まではエンジニアにお願いする必要があった作業が非エンジニアでも出来るようになります。上の方で少し紹介した v0 などはまさにそうです。それにより、コモディティエンジニアの需要は大きく減っていく事になると思います。
エンジニア限定の話ではありませんが、最近以下のような記事がありました。
フリーランス→会社員、5年で転職3倍 安定求め回帰 – 日本経済新聞
今まではエンジニア不足もあって中級レベルのフリーランスでもある程度稼ぐ事が出来ました。ただ、フリーランスのエンジニアはスキルアップが独学に任されているのと、フリーランスのエンジニアに対しては面白くて勉強になるプロジェクトは優先的に割り当てられないので(※)、スキルアップに不安を抱える気持ちは理解できます。また、今後コモディティエンジニアの需要が減っていく可能性があるのと、自分がコモディティ化してしまう恐怖心もあると思いますし、フリーランスのエンジニアが会社員に戻っていく流れも自然だと思います。
※: もばらぶの場合は社員との違いはそこまでありませんが
物理的な経験・体験・行動が重要視される
これは色んな方が指摘していますが、単純に知識を持っているだけの人の重要性は低くなります。インターネットと検索エンジンが発展した時にも同様の流れはありましたが、生成 AI によってその流れは加速します。
今後必要とされるのは、生成 AI が出来ない
- 物理的な経験・体験・行動、それに伴う感情表現、思考
- そうした個人的な経験と自分がもっている知識を組み合わせて、課題を設定する
という事が出来る人だと思います。
ただ、「単純に知識を持っているだけの人の重要性は低くなる」と書いたのと逆説的ではあるのですが、知識が無いと課題を設定する事も出来ないので、知識を得る事は引き続き重要だと考えています。
2025年以降で起きると思われる事(業務面)
コンテンツマーケティングの衰退・あるいは転換
1年くらい前までは、SEO の観点から自社サイトなどに有用なコンテンツを配置して、そうしたコンテンツを呼び水にして集客に繋げるという所謂コンテンツマーケティングが一般的に行われていました。コンテンツマーケティングで作成されるコンテンツは、その分野の初心者にとっては情報が分かりやすくまとまっていて有用なものでした。
一方、現在では生成 AI に質問すると同じような情報が出てくるため、コンテンツマーケティングは現在と同じ形で存在し続ける事は出来ず、形態が大きく変わっていくと思われます。上に書いた話と重なる部分もありますが、
- 深い洞察などが含まれた重量級の文書
- (生成 AI の学習対象となっていない)最新の事例
- 個人的な体験に基づく意見
などが今まで以上に重視されるようになると思います。
フルリモートの減少
コロナ禍を機にリモートワークが増えて、フルリモートの会社も増えました。ただ、最近ではご存知の通り出社回帰の動きも増えてきています。理由としては、コロナ禍という緊急事態が終わって今まで通りのやり方に戻しただけという見方もあります。
ただ、生成 AI の普及によって、対面の物理的な経験・体験・行動の価値が相対的に増したという理由もあると思います。今後もリモートワークは無くならないですが、フルリモートの会社・職種というのはかなり少なくなると思います。
もばらぶでは2025年何をするか
人数を増やすのは当面止め、メンバーの底上げを行う
今年の前半くらいまでは、案件の数を増やしてメンバーの数も増やして、という方向性を目指していましたが、採用面に関してはその方向性は当面止める事にしました。
2025年以降でやる事は、現状いるメンバーの底上げを行い1人1人が出来る事を大幅に増やして、アウトプット(≒売上)を増やす事です。そして、そのための社内の仕組み作り・変革も色々と計画しています。
フルリモートとハイブリッドの2チームに分ける
本施策は既に動き始めている事ですが、社内をフルリモートとハイブリッドの2チームに分ける予定です。
もばらぶでは現在は全員フルリモートですが、フルリモートで働く事が目的では無く、自分たちの好きな働き方が出来る事が重要だと考えています。そのため、フルリモートを希望する人はフルリモートで、たまには人と直接会って話をしたり仕事をしたいという人はハイブリッドで、という形にする予定です。
経験・体験・行動を促すサービスを提供する
もばらぶでは、海外で働く人のためのコミュニティ Mo-Mado を以前作って現在も活動中です。どのようなものかは以下の記事を参照してください。
また、Mo-Mado 関連の記事はこちらのページにまとまっています。→ Mo-Mado – もばらぶん
さて本題です。今後は物理的な経験・体験・行動が重要視されると上の方で書きましたが、「海外で働く」という新たな体験・行動の一歩として、もばらぶのフィリピン法人でインターンを受け入れて、海外で働くために必要な知識・経験をエンジニアの方に身につけてもらうというサービスを始める事にしました。これに関しては、本ブログなどで別途お知らせします。
また、逆にフィリピン法人で働いているメンバーをローテーションで日本に呼ぶというのも(2025年は無理かもしれませんが)やってみたいと考えています。
最後に
2024年は世間、特に IT 分野では、生成 AI の発達により色々と大きな動きがありました。2025年も引き続き世の中の色んな事が変わっていくはずですし、会社としても変化・進歩し続ける必要があると感じています。
2013年に会社が出来たのですが、2025年は第二の創業くらいに考えて、色々と新しい取り組みを進めていきたいと考えています。今後もよろしくお願いいたします。
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