随分ブログを放置していました・・・
昨年末から行き始めたコワーキングスペース(経緯等はこちら)の方と何度かディスカッションを重ねた結果、遠隔勤務に関して何か新しいことが出来るのではないか、という話になり、まずはその方向で進めてみることになりました。
遠隔勤務をしたい個人的な理由
ずっと昔から遠隔勤務(自宅勤務)をしたいと思っていて、フリー(個人事業主)になった理由の一つでもあります。もっとも、フリー時代は所謂客先常駐の仕事が結構多く、なかなか思った通りには行きませんでしたが。
遠隔勤務をしたいと思った理由はいくつかあります。
- 通勤ラッシュなどが嫌
- 田舎の親の近くに住みたい
- 子供の世話をしたい
以下、それらについて少し書いてみます。
通勤ラッシュなどが嫌
通勤ラッシュが好きな人はいないと思います。通勤ラッシュ「など」と書きましたが、通勤ラッシュに限らず、東京に人や仕事が集まりすぎている弊害が色々なところに出ていると思います。一つ一つは挙げませんが、東京に住む個人にとって、東京という都市にとって、日本という国にとって、弊害のほうがメリットを上回ってきたように思えます。
そうした中、遠隔勤務を、東京一極集中の弊害の改善や地方活性化の手段の一つとして捉えることも出来るかと思います。それ以外にも色々メリットはありますが。
田舎の親の近くに住みたい
地方(大都市圏以外)出身者の方は、Uターン就職を希望する人が比較的多いみたいです(データは検索すれば色々出てくると思います)。やはり親御さんが年をとるとともに、色々と心配事も増えて、近くに住みたいというのはよく分かります。
私の場合、元々は東京の郊外出身だったのですが、随分前に親が千葉県の茂原に引っ越してました。両親とも一応元気にはやっているのですが、年も年なので、たまに顔を出せる場所に住むのが一番いいかなと考えています。
子供の世話をしたい
以前も少し書きましたが、最近子供が出来たため、外に出ての仕事は減らして、極力自宅で出来る仕事を増やすようにしています。
それにしても、子育てを始めてみて改めて大変だと認識しました。昭和の中頃くらいまでは親と同居というのが割と一般的だったので、子育ても親(子供にとっての祖父母)が手伝ってくれたりして、今より負担は少なかったと思いますが、核家族が一般的な現代社会では、事情により里帰り出産も出来ず、かつ近くに両親がいない場合、平日に夫が通常通り勤務して妻が子育てをするというのはかなり辛い事と思います。
会社にとっての遠隔勤務のメリット
自宅で作業することができると、働く側としては上に挙げたものも含め様々なメリットがあります。ただ、会社側にもメリットが無いと、なかなか導入が増えないと思います。ここでは会社側のメリットもいくつか挙げてみます。
人材確保
「人材確保」とまとめますが、実際には2つの側面があります。
1つは、今までなら子育てや介護、その他の理由で退職していた優秀な従業員を、遠隔勤務という形で引き続き雇用し続けることができます。
2つ目は、様々な理由で通常の通勤スタイルが出来ない・したくない優秀な人を雇用することが出来ます。IT関係で言うと、(まだまだ特殊な例ですが)MySQLの専門家として有名なOracle社の奥野さんなどは「現在の主な仕事場は栃木県内の自宅で、都心のオフィスに出るのは週に1度くらい」だそうですが(ソース)、そうしたライフスタイルを好む優秀な人材を獲得する際に、「遠隔勤務可能」というのは大きな利点だと思います。
コスト削減
都心に大きなオフィスを構えるのではなく、こじんまりとしたオフィスにして、従業員の一定数を自宅勤務とすることで、オフィスのコスト等を削減することができます。これは、元々バブル期の地価高騰の時代に出てきた考えですが、バブル崩壊とともにメリットが薄れてきて、これを目的とした遠隔勤務は、コスト面のメリットより、チームが離れることによるコミュニケーションが取りづらくなるなどのデメリットが上回ることが多くなってきました。
ただ、最近はインフラやツールの整備により、デメリットが比較的小さくなってきたようです。
ただ、これは「消極的な」理由であり、これを一番の目的として遠隔勤務を位置づけても、あまりうまく行かないのではないかと個人的に考えています。
業務継続
2011/3/11の東日本大震災を機に、業務の継続性というのが大きく脚光を浴びることになりました。遠隔勤務を日常的に取り入れることにより、災害などで本社での業務が出来なくなった場合でも、(通常は限定的ですが)業務を継続することが出来ます。
これに関しては詳しくはここでは述べません。
生産性向上
実は、遠隔勤務をうまくやれば生産性の向上に繋がるのではないかと思っています。
これに関しては賛否両論で、例えば37 signalsの出したRemote(邦題「強いチームはオフィスを捨てる: 37シグナルズが考える「働き方革命」」)という本では、それに肯定的な意見が書かれています。一方「在宅勤務が会社を救う: 社員が元気に働く企業の新戦略」という本では、遠隔勤務自体が生産性を向上させると言うよりは、遠隔勤務を導入するためにタスクやワークフローの見直しを行う事により、間接的に生産性が向上する、というような表現に止まっています。
いずれにしても、インフラ・ツール類が整ってきた今、押さえるべきポイントを押さえておけば、少なくとも遠隔勤務で生産性が下がるという事は無さそうです。
なんで生産性が上がるのか?
に関しては、次回もう少し掘り下げて書こうと思います。
その他メリット
遠隔勤務が進めば、東京一極集中の緩和にも少しは役立つのではないでしょうか。それにより、長期的には地方活性化や少子化対策にも繋がると思います。
まとめ
ツール、インフラが整ってきて、遠隔勤務・在宅勤務をする環境が整ってきました。
遠隔勤務・在宅勤務では、働く側にとっては
- 通勤ラッシュを避ける事により、肉体的・精神的苦痛からの解消、通勤時間の有効活用
- 子育て・介護をしながら働き続けることが出来る
- (次回書く予定ですが)生産性の向上
といったメリットがあります。また、会社側に取っても
- 今までであれば会社を辞めざるを得なかった人の継続雇用、及び遠隔勤務を希望する優秀な人材の確保
- オフィス等のコスト削減
- 災害時の業務継続
- (次回書く予定ですが)生産性の向上
といったメリットがあります。
また、それにより東京一極集中が緩和され、一極集中の各種弊害の解消にも役立つ可能性があると思います。
次回は、会社側にも働く側にも重要である「生産性の向上」について書いていきます。
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