以前、クラウドソーシングのメリット・デメリットについてブログ記事を書きましたが、今回は今までの経験を元に、いくつかコツ、tips的なものを書いてみたいと思います。なお、対象は仕事を発注する側です。知り合いのこちらの記事に触発されたというのもあります。

1. タスクを細切れにする(適切なサイズに)

私の意見としては、一つの大きなタスクをドカンと発注するのにはクラウドソーシングは向いていないと思います。ただ、ある程度大きなプロジェクトだったとしても、適切なサイズのタスクに分割することにより、クラウドソーシングのメリットを享受できると思います。

プロジェクトをある程度の大きさのタスクに分割するためには、開発プロジェクトであれば開発プロジェクトのマネージメント経験がある程度ないと難しいかと思います。逆に、ある程度マネージメント経験があるのであれば、環境(顧客なり社内の稟議なり契約の再委託条項なり)が許す限り積極的に使っていくといくべきでしょう。

2. 時給制を上手く活用する

1.とも関連しますが、タスクを細切れにすると、1件1件見積もりを依頼して、というのが難しくなります。タスクの数が5個を超えるようでしたら、時給制を採用したほうが良いと思います。タスクが増えてきたのに見積もりベースで発注していると、管理にかかる時間がかさんできます。

3. プロフィール、経歴等を信用しない

日本人は謙虚で、出来ないことを出来ると偽る人は少ない、と言うのはもう過去の話だと思います。と言うと言いすぎかもしれませんが、本人が「出来る」と言っているレベルが、こちらの求める「出来る」レベルと違うというのは往々にしてあるかと思います。

私自身、クラウドソーシングを使い始めて最初期の頃に、これで失敗しました。.NET系のプロジェクトだったのですが、その方(仮にAさんとします)は経歴も申し分なく、Skypeで何度かミーティングした感じでも問題なかったので、Aさんを中心に開発を進めようとしました。私自身、以前の職場などでそれなりの数の技術者の面接を行ってきたので、人を見る目にはそれなりに自信を持っていたのですが、甘かったです。

結局、早めに気づいて立て直したので事なきを得ましたが、余計な費用がかかったなと反省しています。勉強代と言ってしまえばそれまでですが。

プロフィールも面接もあまり信用出来ないなら、何を信用すればいいのでしょうか。それは・・・成果物です。

4. お試し期間、お試しタスクを設ける

プロフィールは着飾れます。実力以上に見せかける事のできる、口が達者な人もいます。でも、成果物は嘘をつけません。論より証拠です。

ということで、最初から沢山発注するのではなく、お試し期間用の課題的なタスクを1つ用意しておくといいと思います。先ほどの.NETのプロジェクトでは、最初に依頼した数人がいずれも成果が上がらなかったため、早めに見切りをつけて2次募集をしました。そして、Skypeで面接してOKそうな人、6〜7人に対して簡単な(と私が思っている)タスクを発注しました。結果・・・ちゃんとタスクを上げてきた人は4人、そのうち期限内に上げてきた人は2人でした。その2人を採用しました。

採用しなかった4〜5人に払ったお金は5万程度ですが、その後の事を考えると必要な出費だと思っています。

5. 少し多めの人数を採用する

仕事の種類にもよりますが、クラウドソーシングで仕事を受ける方は、完全にフリーでやっている方もいますが、

  • 昼間は会社員で、会社に隠れて副業としてクラウドソーシングで仕事をしている方
  • 肩書はフリーなものの昼間は客先常駐をしている方

などもそれなりの数がいます。そうした方は、昼間の仕事がトラブったりするとこちらが発注した仕事が疎かになりがちです。

完全にこちらが発注したプロジェクトに専念してくれる方のみでチームを構成することは稀だと思いますので、少し多めに人数を採用しておいたほうが良いと思います。その結果、1人に発注する仕事量が増減する場合も出てくるかと思いますので、発注する際にはその旨をしっかり伝えておくべきです。

6. プロジェクトの形式に関する固定観念に囚われない

クラウドワークスにせよランサーズにせよ、最初にプロジェクトの形式を選びます。「Webサイト作成」、「画像編集」、「システム開発」等々ありますが、そうした枠にあまり囚われずに

「こんなことクラウドソーシングで頼めないかな?」

と、常に考えてみるといいと思います。意外な活用法が見えてくるかもしれません。

7. 相手の働き方を尊重してwin-winになれるように

クラウドソーシングは発注側に取っても受注側に取っても比較的新しい働き方・契約形態です。前項に関連しますが、従来のやり方に囚われずに、相手のスタイルに合わせて柔軟にプロジェクトを進めるのが上手くいくコツかなと思ってます。5番のところでも書きましたが、昼間は仕事をしている人、子育てをしながら仕事をしている人など、過去3ヶ月程度使っただけですが、色んな方がいました。

ということで、こちらのやり方を押し付けるのではなく、お互いに取ってメリットのある形でプロジェクトを進められるとベストです。

最後に・・・ノウハウを共有しよう!

私の個人的な経験から、クラウドソーシング活用のコツを書いてみました。

みなさんも何かいい活用方法を見つけたら、是非ブログ等でシェアしてみてください。発注側も受注側も、クラウドソーシングを使う人がどんどん増えてくるといいですね。